いよいよ施行、ハラスメント防止法
皆様、かなりブログの更新が止まってしまいました。
約1年間、出張しての仕事だったもので大変失礼いたしました。
いよいよハラスメント防止法が完全義務化されます。
以外に意識していない経営者がまだまだいらっしゃるようですので、おさらいをしてみます。
先ずハラスメント(パワハラ)とは・・・
厚生労働省は、パワハラの定義を3つの条件で示しています。以下の3つの条件を全て満たす行為はパワハラです。
・優越的な関係を背景とした言動
・業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
・労働者の就業環境が害されるもの
代表的な6類型
パワハラの3つの条件に加え、厚生労働省は代表的な言動の類型6つを紹介しています。ただし、これらの例に当てはまるものが全てパワーハラスメントに該当するわけではありません。個別の事案状況によっては判断が異なることもあるので注意が必要です。
・身体的な攻撃・・・1つ目の類型は、身体的な攻撃です。いわゆる暴行や障害のことを指します。
・精神的な攻撃・・・2つ目は、精神的な攻撃です。脅迫や名誉毀損、侮辱、暴言などがこれに当たります。
・人間関係からの切り離し・・・3つ目の類型は、人間関係からの切り離しです。人間関係からの切り離しとは、自分の意に沿わない労働者の隔離や仲間外し、無視などの言動を指します。
・過大な要求・・・4つ目の類型は過大な要求です。過大な要求とは、業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことを強制することを指します。
・過小な要求・・・5つ目の類型は、過小な要求です。これは業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないことを指します。
・個の侵害・・・6つ目の類型は個の侵害です。個の侵害とは、プライベートに過度に立ち入ることを指します。
これが、ハラスメント(パワハラ)の基本的な考え方です。
では、ハラスメント防止法が義務化になるとどうなるのでしょう。
次の4つ事項が義務として課せられてきます。
①企業の方針等の明確化とその周知・啓発
1つ目の義務は、企業の方針等の明確化とその周知・啓発です。企業はパワハラを防止するために、どのような方針をとるのかを明確にし、労働者に周知・啓発しなければなりません。
②相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応する必要な体制整備
2つ目の義務は、相談に応じ、適切に対応する必要な体制を整備することです。労働者から相談があった場合に適切に対処できる体制を整えましょう。具体的には、相談窓口を設けたり、相談が来たときの対応手順を決めたりすることです。
③事後の迅速かつ適切な対応
3つ目の義務は、事後の迅速かつ適切な対応です。
④併せて講ずべき措置
上記3つの措置と併せて行う措置が4つ目の義務です。相談することに抵抗を感じ、事実を隠してしまうことを防ぐための措置のことを指します。
上記の内容が義務化されます。
守らなければ企業名の公表等の罰則が科せられます。
ハラスメントの多くは、『上司から部下に対して』『男性から女性に対して』というイメージを多くの方がお持ちです。
しかしながら、その逆の場合が多く行なわれています。
『部下から上司へ』『女性から男性へ』このハラスメントも実際に発生しています。
経営者の皆様、一番危険が潜んでいる考え方です。
『うちの会社は、みんな仲がいいのでなんでも言い合える社風だ』
この考え方を持っている社長、危険です。
しっかり、第三者的に社内の人間関係をみて下さい。
あと2か月後です。
ハラスメント防止法の準備を宜しくお願い致します。